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人生はいつ見ても波乱万丈。「東大ダイレクト」塾長にして文理開成高校理事長の四方山話。
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「弱さ」こそが「強さ」である
2012-12-04 Tue 19:02
「弱い」ものが実は最も「強い」

そう思わざるを得ないことが、世の中には時々あります。

世間的には最も強いとされている人たちのことをよくよく調べていくと、実は、ものすごい弱点や欠点を元々持っていて、それを自分なりに克服した結果、強くなった、という話をよく耳にします。

例えば、陸上において、その名声を欲しいままにしているウサインボルト選手。

有名な話ですが、ボルト選手には短距離陸上選手としては、致命的と言っても過言でない「欠点」があります。

彼を育て上げたコーチが、あるインタビューでこう答えています。

「ボルトは生まれつき、脊柱側湾症という障害を持っているんだよ。背骨が生まれつき曲がっているのさ。あいつが14歳の時に200mを走るのを初めて見たんだが、それはそれは酷いフォームだった。曲がった背骨が重心を支えられず上体が後ろに大きく傾いていたからね。可哀想だけど100mは走れないなと直感的に思ったよ」

脊柱側湾症。それは背骨が著しく湾曲してしまう障害で、後天的に発症する場合もあるのですが、ボルトの場合は先天的なもので、その背骨はS字状に大きく曲がっているというのです。

100mはスタート時、瞬間的に巨大な圧が背中にかかる。その圧に耐えながらも上体を前傾に保ち、速やかに加速していかなくてはならない。曲がった背骨による体幹の筋肉の不均衡は、そうした一連の動きを著しく鈍らせる。それはスプリンターにとって致命的ともいえる欠陥だったのです。

それをボルト選手は、体幹の筋肉を徹底的に鍛える過酷なトレーニングと驚異的な蹴り上げの力で克服し、地上(史上)最速のランナーになったということです。

自らの「弱さ(欠点=ハンディキャップ)」を正面から受け止め、それを別なかたちで必死に克服するべく努力に努力を重ねる。

ボルト選手の陽気なパフォーマンスからは想像もできない、過酷な生き様がそこにはあります。

同じことは野球の世界でも言えます。

あのイチロー選手にはこんな言葉があります。

「努力せずに何かできるようになる人のことを天才というのなら、僕はそうじゃない。努力した結果、何かができるようになる人のことを天才というのなら、僕はそうだと思う。」

イチロー選手は野球選手として必ずしも恵まれた身体の持ち主ではありません。今はともかく、昔はどちらかと言うとひ弱で線の細い選手でした。

そのために彼は「振り子打法」を磨きに磨いたと言われています。

人間、誰しも「強さ」もあれば、「弱さ」もあります。

そこで、自分の「弱さ」を直視できるかどうか?

謙虚に、自分の「弱さ」「欠点」と向き合えるかどうか?

そして、次に、その克服に向けた努力をひたむきに重ねることができるかどうか?

その結果、「強さ」が磨かれる。

「弱さ」こそが「強さ」である。

私にはそう思えて仕方ないのです。



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